実地棚卸をしないとわからないこと
棚卸の目的
棚卸の目的は「利益の確定」と「数量管理」
月末数量を確定させることで売上原価を算出し利益を確定させる。(不明ロスが発覚することもある)
また、不要に在庫を抱えすぎていないか不良在庫がないか、システムと数量が一致しているかを確認する。
修正が必要な例
理論上の在庫 | 実際の在庫 |
---|---|
りんご×1 | りんご×2 |
なし×2 | 腐ったなし×2 |
みかん×5 | みかん×1 |
実地棚卸と帳簿棚卸の違い
実地棚卸:実際にそこにある在庫を調べる。
帳簿棚卸:帳簿上での出入りから在庫数を推測する。
帳簿棚卸は理論値(あるべき在庫)で棚卸を行うことになり、実際に存在するか保証することができない。
実地棚卸を行うことで、商品の数量や状態を実際に確認し集計することで売上原価の正確性を担保することができる。
売上原価の求め方
売上原価とは
製品Aを1個製造する為の材料:材料B×1
製品Aを10個販売した場合の材料使用量は…?
「販売数=材料使用数」とは考えない。
月初材料数+当月材料購入数-月末材料数=使用材料数と求める。
実際に計算すると、製品に使う10個よりも多く消費されていることもある。
在庫は粉飾に使われやすい
売上を利用した粉飾
実態のない売上を計上することで、売上を積み上げることで利益が出ているように見せかけることができる。ただし最終的に入金されることがない為いずれ発覚する。
在庫を利用した粉飾
販売数に対応し在庫が使用されていけば売上原価として費用が計上されていく。
月末に在庫を確定させる時に、「在庫数を多く計上する」又は「単価を高く評価する」ことで売上原価を小さくすることができる。
【在庫数を多くする】10個→20個
不明ロスが無かったことになり、使用数量が減少した。
→売上原価減少
【単価を操作する】
使用材料金額が減少した。
→売上原価減少
逆のことを行うと、売上原価が増加する。
→利益が減少
→課税所得が減少
→脱税