PCメモ

Excelを中心とした業務改善の記録

工場PL説明資料

f:id:abv72:20210314155358p:plain

 

この記事の目的

1人1人が生産利益を増やす方法を考えることができるようになる。

生産PLとは

生産高-費用=生産利益を表している。

 

生産高:売価×生産数

費用:材料費や人件費、電気代など生産する為にかかった費用

 

 

(例)ぬいぐるみ工場でぬいぐるみを1,000個生産した。(売価@500円)

1,000個生産する為にかかる費用は400,000円とする。

生産高:500,000円(500円×1,000個)

費用:400,000円

生産利益:100,000円(500,0000-400,000)

 

 

f:id:abv72:20210314160355p:plainf:id:abv72:20210314161735p:plain

 

製品を1つだけ生産するとどうなる

1つしか生産しなかった場合。

以下のようにはなりません。

(例)ぬいぐるみ工場でぬいぐるみAを1個生産した。(売価は1個500円)

生産高:500円(500円×1個)

費用:400,000円

生産利益:-350,000円

 ぬいぐるみ1,000個生産する為にかかる費用とぬいぐるみ1個を生産する為にかかる費用が違います。

費用とは

ぬいぐるみを生産する為にかかる費用を分解してみます。

大きく2つに分けることができます。

変動費:製品の生産数に比例して発生

②固定費:製品の生産数にかかわらず、一定額が発生

 

費用400,000円を変動費と固定費に分けてみます。

 

(例)ぬいぐるみ工場でぬいぐるみAを1,000個生産した。(売価@500円)

1,000個生産する為にかかる費用は400,000円とする。

生産高:500,000円(500円×1,000個)

費用:400,000円

生産利益:100,000円

 

変動費:250,000円
・材料費:250,000円

固定費:150,000円
・光熱費:50,000円
・人件費:100,000円

費用400,000円=変動費250,000円+固定費150,000円 ということがわかりました。

 

500,000円(500円×1,000個)生産する為に材料費:250,000円がかかかります。
1個(500円)生産する為には250円の材料費がかかるということがわかります。

 

その為、1個だけ生産した場合のPLは以下のようになります。

 

生産高:500円(500円×1個)

費用:変動費(250円×1個)+固定費(150,000円)=150,250円

生産利益:-149,750円

 

製造以外の生産活動はどこへ

では事務所の机を購入したり、出張に行ったり、コピーしたりした時の費用はどうなるのか。

 

以下の例で考えてみる。

 

(例)ぬいぐるみ工場でぬいぐるみAを1,000個生産した。(売価@500円)

1,000個生産する為にかかる費用は400,000円とする。

生産高:500,000円(500円×1,000個)

費用:400,000円

生産利益:100,000円

 

 ここからさらにに追加でかかった費用を足していく。

 

机購入:50,000円
出張:20,000円
コピー:10,000円
計:80,000円

 

(例)ぬいぐるみ工場でぬいぐるみを1,000個生産した。(売価@500円)

1,000個生産する為にかかる費用は400,000円とする。

生産高:500,000円(500円×1,000個)

費用:480,000円(400,000円+80,000円)

生産利益:20,000円

 

結果生産利益が80,000円減少した。
追加で発生した費用は、そのまま生産利益の減少に繋がってしまう。

製品による違い

ぬいぐるみAを1,000個生産すると100,000円の利益がでるが、他の製品を生産するとどうなるか考えてみる。

(例)ぬいぐるみ工場でぬいぐるみAを1,000個生産した。(売価@500円)

1,000個生産する為にかかる費用は400,000円とする。

生産高:500,000円(500円×1,000個)

費用:400,000円(材料250,000+固定費150,000)

生産利益:100,000円

固定費は一律150,000円。1,000個生産した場合の生産利益を考える。

ぬいぐるみB
売価:1,000円
材料:900円

 

生産高:1,000,000円(1,000円×1,000個)
費用:1,05,000円(材料900,000+固定費150,000円)
生産利益:-50,000円

 

ぬいぐるみC
売価:200円
材料:10円

 

生産高:200,000円(200円×1,000個)
費用:160,000円(材料10,000+固定費150,000)
生産利益:40,000円

 

それぞれの生産利益は以下のようになった。

ぬいぐるみA:100,000円
ぬいぐるみB:-50,000円
ぬいぐるみC:40,000円

 

生産高はぬいぐるみBが一番高く1,000,000円となっているが、生産利益は赤字。
利益率(生産利益/生産高)に注意して生産する品目を選択する必要がある。

生産利益を増やすために

赤字になってしまったぬいぐるみBの生産をしても生産利益がでるようにする為にはどうすればいいのか。

ぬいぐるみB
売価:1,000円
材料:900円

 

生産高:1,000,000円(1,000円×1,000個)
費用:1,05,000円(材料900,000+固定費150,000円)
生産利益:-50,000円

 ①変動費を下げる
・1個生産する為に必要な材料代を下げる
→材料費を850円以下に下げれば利益がでる。

②固定費を下げる
・固定費を100,000円以下に下げれば利益がでる。

③生産数を増やす
・1,500個以上生産すれば利益がでる。

 

①は仕損品を減らしたり、材料単価を下げたりすることで対応可能
②は人員の削減や不要な機械の撤去などで対応可能
③は生産の効率化やロボットの投入で対応可能

お金を使う時に考えること

ぬいぐるみBを改善し、利益0にすることができたとしても無駄な出費があれば赤字になってしまう。

その費用は本当に生産活動に必要なのか考える必要がある。

(例)
人員増
→その分生産高が増えるか、他の費用を減らせなければ人件費分利益が減少する

ロボット投資
→もともとそこで働いていた人が残っていれば純粋に固定費が増加しただけ。削減できなかった人件費以上に生産高が増えるか、他の費用を減らせなければ生産利益が減少する。

残業
→残業代分他の費用を下げるか、残業代以上に生産高を上げる活動をしなければ、生産利益が減少する。

まとめ

① 生産PLとは生産利益がどれくらいあるか表している。(生産高-費用)

②生産する製品によっては、生産高が高くても赤字になることがある。

③お金を使うとその分生産利益が減少する。生産高を増やすことができる出費か考える。